2018年9月11日火曜日

VOICE 85/鍼灸師(石川県・女性)

 前回は1日だけの研修に伺いましたが、当時の私は学生で、研修というものも初めてでしたので、緊張で吉川先生がどんな治療をなさっているのか、ついていくのがやっとだったような記憶がありました。今回は鍼灸学校を卒業し、国家資格を取得して、少しですが臨床も経験した上での4日間の研修ということで、前回のような緊張はなく、むしろ楽しみにしておりました。
 
 前回の1日研修の後、私は吉川先生が治療に大いに取り入れておられた刺絡に興味をもち、刺絡の講習会に通ったり、富山、大阪で開催された吉川先生の講演会にも足を運んだり、その後の鍼灸学校卒業間近の臨床のテストでも「陰陽太極鍼」を使って治療に挑みました。
 
 そのときの患者さまは乳がんで 乳房摘出、なおかつペースメーカーの女性で、腕の開穴を探そうと触ったところ、敏感な気質で「触られたくない」と言われました。そこで足に触ったところ 「大丈夫」とのことで、足の開穴に鍼を置いてみると、その一穴で全身を触っても平気になり、そのあとの治療もスムーズに行うことができたのです。
 
 それから、王穴。これは本当にスゴイです。学生時代の私でも使うことができました。鍼をツボに置くだけで友達や家族の五十肩がその場で解消され「催眠術か何か?」などと不思議がられ喜ばれました。その様子を周りで見ていた人たちの驚きもすごかったです。
 
 そして、今回の研修。前回は鍼の向きで行っていた補瀉が王不留行と皮内鍼に変わっていて、治療道具はこれに鍼をとめるテープとピンセット。そして耳ツボ用の鍉鍼。「これだけ?」それでも治療の基本は変わっていなくて明確な補瀉、わかりやすく整理された治療方法。その中で「背中の七行線」は私の中では新しく、使う患者さん続出で、これも早速とりいれていこうと今から楽しみです。前回1日だけの研修では見えなかったことが沢山あり、日数を重ねたので変わった症例をたくさん 見学することができました。
 
 吉川先生はキッパリとおっしゃいました。「こちらが決めるんじゃないの。教えてもらうのよ。」開穴を見つけて治療する経穴は治療者が決めるのではなく患者さまに教えてもらうのです。これがまた、子供でもハッキリと指摘してきますし、つじつまが合う。不思議です。(2015年)

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