2018年9月11日火曜日

VOICE 43/鍼灸師(富山県・男性

 私は、7年前「鍼灸の挑戦」を読み、東方鍼灸院を知りました。私自身視覚障害(網 膜色素変性症)があり、いつか治療を受けに行きたいと思い、その2 年後に行くことが出来ました。当時は仕事の都合上3回しか受けることができませんでしたが、見事に視力が上がり、視野も広がりました。自分で実感したその効果に驚き、その頃からいつか研修に行きたいと思うようになり、今回3週間研修させていただくことになりました。

 私は極度に緊張しやすいタイプなので、研修1日目で、睡眠不足と治療見学の緊張により腰痛と足がフラフラとなり、吉川先生の鍼を受けさせていただくことになりました。仰臥位で開穴に次々に鍼を置かれていかれました。その最中にとても気持ちが良くなり、先程までかなり痛かった腰がフワーッと和らぐ感覚がありました。手足に鍼を置かれているだけなのに、腰も足も目の重みも楽になりました。これが、経絡が通じた瞬間!環の端が無きがごとく輪になっている!と自分の体で納得しました。
 
 治療が終わり、帰宅する頃には朝よりも元気になり、これから1日が始まってもいいほどにエネルギーがみなぎっていました。研修1日目から、陰陽太極鍼の凄さを身をもって知ることができました。

 緊張しやすいということで、私は患者さんの前では手に汗をかいてしまいます。施術者にとっては大変な悩みです。しかも陰陽太極鍼では経絡を指で軽くなぞるように切経しますから、この緊張性発汗はとても厄介です。

 しかし、吉川先生に治療していただいた翌日は、緊張していても汗をかかない時間がありました。 何回か治療を受けるごとにその時間が増え、私の手にもだんだん自信が湧き、32年間緊張=手の発汗だったものが、しだいに良くなっていきました。視力も、 矯正0.2→0.6になり驚かされる毎日でした。

 患者さん一人一人の反応の違い、同じ人同じ開穴でもその日その時間により出現の違いがあるということ、開穴に刺鍼後反応が消えない時には、吉川先生の巧みな技(子午の関係、陰陽の関係、陰陽太極の関係、同名経の関係、微妙な鍼と経穴の位置の違い等々)によって反応が瞬時に見事に消失していくことに驚かされました。

 そして反応が消失すると同時に体表における他の反応も消失していき、患者さんが訴えていた症状も和らぎました。開穴と経絡と臓腑がつながっていて、経絡の流れが良くなると、症状の所在が外であろうと、中であろうと横であろうと縦であろうと関係なく良くなっていく様子が確認できました。
 
 腹部募穴の圧痛、足底の圧痛、背部兪穴の反応等は、鍼を置く前と後を実際に触察させていただきました。鈍感な私の手でさえも、思わず患者さんの前で「何でこんなに変わるんですか?!」と声を大にして驚いた事が何度もありました。

 三週間を通して、陰陽対極鍼を勉強させていただいたことはもちろんですが、私にとっては、吉川先生が毎日一人一人の患者さんを熱心に治療されている姿、 ただその先生のお姿、熱意が、一番の感動、刺激でした。そして毎日、毎回の施術の中で発見があり本当に勉強になりました。手取り足取り教えていただき、充実した三週間でした。(2012年)

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