2018年9月11日火曜日

VOICE 42/鍼灸師(静岡県・男性)

 毎日多くの患者さんの治療をなさる先生のお側で見学させていただきながら学んだこと、実技指導でいただいたアドバイス、そして休憩時間や治療時間終 了後も、私のいろいろな質問に対してわかりやすく説明をしてくださったこと等を通して、少しずつ、陰陽太極鍼への理解が深まってきました。

 環になって繋がっている経脈の流れを理解していると、遠隔のツボで良くなる理由もわかります。又、経脈は臓腑を通過しているので、流れがよくなればそれに繋がる臓腑の機能が良くなり、諸症状も良くなるということや、遠隔のツボを使うことの良さについては、テコの原理の話がとてもわかりやすかったです。さらに先生は、「治療して治ったからといって天狗になってはいけませんよ。治ったのは経脈のおかげ。」ともおっしゃっていました。謙虚にそして常に学び続けていくことの大切さも教えていただきました。鍼灸はとても奥が深いです。これからも、いただいた、たくさんの資料等を元に勉強を続けていきたいと思っています。

 こちらに帰ってからは、早速、小学生、中学生の女子二名視力回復の治療をいたしました。二人とも鍼は初めてです。置くだけと伝えても半信半疑の様子でし た。けれども温灸をする頃になると、リラックスして眠っていました。とても気持ちが良かったようです。治療してみてまず思ったことは、初診の患者さんでもその方の症状に応じた開穴がわかるということです。

 A子さん(小学校六年生)は「大腸兪附近に腰痛あり。体が重だるい。」という症状 がありました。腰痛は「大腸兪」附近、重だるさは「脾の主り」です。そ して、これらは太陰陽明の陰陽関係にあります。開穴の一つに脾兪(左右)がありました。ここに鍼を置くことで大腸兪の圧痛がとれました。

  B子さん(中学二年生)は「肩が重い。凝っている。」という症状がありました。凝りは、小腸経ライン上にありました。今回の治療で一番効果のみられた開 穴は、左心兪でした。ここに、鍼を一本置くことで背面の右側の硬結がすべて緩みました。温灸は左心兪でした。治療後は、心経と表裏関係にある小腸経のライン上にあった肩の凝りがとれ、体が軽くなったようです。視力は矯正視力の右が約二ポイントアップしていました。これからも研修を通して皆様から教えていただいたたくさんのことを思い出しながら十分な効果が出せるよう努力を続けていきたいと思います。(2012年)

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