2018年9月11日火曜日

VOICE 29/学生(愛知県・男性)

 「一本の鍼で身体が変わるのよ。」と、さりげなく当たり前のように云われる言葉がとても印象的でした。半信半疑のまま、先生の傍を離れず、次々と来院される患者さんへの治療を拝見させていただきました。はじめはなにをされておられるのか分かりませんでした。ただ、患者さんの身体が変化していくことの事実だけでした。

 「たった一本、されど一本。」その一本に辿りつくまでの様々な過程こそが先生の学の深さと豊富な臨床経験だと思います。何より、患者さんとの一対一の人間関係こそが治癒効果を劇的に向上させる秘訣ではなかろうかとも感じました。
 
 3日目、念願の先生の施術をうけることができました。私の開穴は、左「京骨」。
一本の鍼がおかれた瞬間、なにか風が吹いたような感覚を感じました。実は3日間の研修中ぺらぺらのスリッパで立ち続けていたためふくらはぎの筋肉痛をおこしていましたが、一瞬でふにゃふにゃになりました。
 
 耳穴は、「膀胱」。飛び上がるほどの激痛点、ここに王不留行。仕上げに、「胃兪」一穴。これで私の膀胱経は開通されました。背部を走行する膀胱経 がゆるむということがこれほどまでに身体が軽くなるものなのかと驚きました。首頚肩背腰下肢にいたるすべての緊張が紐解かれました。
 
 まさに「百聞は一見にしかず」。体験すれば、それが事実であることを知ります。私の身体にも経絡が存在していることを自分自身で証明することができました。先生から多くのことを教わりました。そして、私にでも鍼灸で人を助けることができる自信をもてるようになりました。今はまだ鍼灸学生、今しかできないことを一生懸命精進してゆきたいとおもいます。(2011年)

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。