2018年9月11日火曜日

VOICE 22/医師(東京都・男性)

 『お医者さん達、こんないい方法勉強しないで勿体無いと思いませんか?私が30年の臨床で知った事実を全部この冊子に書いたので皆さん勉強してください。』2011年6月に行われた東洋医学会で吉川先生が会場の医者達に述べた言葉が何故か心に響いた?そうなのである。医学は進歩しているが、まだ僕たち西洋医に理解できない症状がある患者さん達はごまんといる。
 
 外来で大きな心配ないですよと言われながら時間を費やして半日が潰れ、症状はそのままもしくは悪化してしまう患者さんは数多いだろう。僕たち医者は患者さんの症状をよくする手助けをするのが仕事であるのに…。ただ西洋医学で理解できない症状を訴える患者さんの症状を取るにはさらなる医学を勉強する必要がある。そのひとつに東洋医学が当てはまることは異論はないと思うが、その中の鍼灸を使おうという医師はさらに少なくなるだろう。
 
 その背景には3つの問題があると思われる。ひとつに、医師の卒前卒後教育の問題、二つめに、鍼灸治療は保険診療で認められてない部分も多く、病院の中では行いにくいという法的な問題、最後に鍼灸の分野の閉鎖的体質の問題である。この中の最初と最後の問題は吉川先生は解決する方法を示してくれた。
 
 会場で様々な愁訴を持った医者たちが吉川先生の『上ですか、下ですか?こっちがいいですか、それともこっちですか?』という患者の訴えベースのマ ネージメントで施術を受けたドクター達の症状は秒殺である。私は会場にいて震えがきた。鍼は結果が早く出るということは何度も聞いたことがあったが、これほどまでとは…。
 
 まさか施術を受けたドクター達がさくらではないだろうと思い、公演の後すぐさまDVDを購入し勉強した。あまり多くを理解はできなかったが、陰陽のバランスをとっているということはなんとなく理解ができ、直接診療を見たいと思い始めたのと、自分に施術をしてもらい、実際に体験してみれば本当に秒殺なのかわかると思った。
 
 と、前ふりが長くなったが、同僚、後輩たちにカバーしてもらい、7月9日朝から1日見学の機会を作っていただいた。『おはようございます』と入り口を入るや否や『院長、神應先生いらっしゃいましたー。』とスタッフの声。吉川先生の他三人のスタッフで全てを行っているとのこと。先生は私が救急集中治療医であるということで~急病の鍼灸治療~という本を用意して紹介してくださった。
 
 30分ほどの質問タイムののち、実際に患者さんの治療が始まった。実に丁寧で親身である。1人に約1時間前後の施術をしながら私の付け焼刃の拙い知識での質問にもわかりやすく答えてくださる。患者さん達は初めはたくさんの愁訴があるが話を聴きながら全身の観察を行い、治療が始まる。『毎日ツボは変わるんですよ。』という通り、昨日きた患者さんでも異なるツホが開穴になっている。
 
 針をたった1カ所(1番反応が強いところ)におくだけで私も含め全員がふくらはぎの硬さ、腹部の所見、首周六合の所見が改善する。後は患者さんと相談しながら針をおいたり王不留行をおいたり、耳ツボに王不留行を貼ったり、温灸をしたり様々である。確実なことはみんなが帰るときには素敵な笑顔になっているということである。
 
 自宅に帰り、早速妻に陰陽太極鍼を試してみた。足のむずむず感、腰背部痛などで1時間おきに夜間目が覚めてしまう感じであったが、陰陽大極鍼を 行った日は1回しか眼がさめず、足のむずむずも腰背部痛もなくなったと驚いていた。私はこれから陰陽太極鍼を使わないで臨床をすることはできないだろう。 世の中のドクター、鍼灸師の皆さん本当にこんないい方法勉強しないで勿体無いと思いませんか?(2011年)

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