2018年9月11日火曜日

VOICE 13/鍼灸師(栃木県・男性)

 はやいもので、もう半年が過ぎてしまいました。おかげさまで、勉強は途切れることなくずっと続けております。教えていただいた治療法をはじめ、いろいろ試みられるようになりました。その中での出来事といいますか、とてもいい「出会い」といったらいいのでしょうか、私にとっては、感動的だったのでご報 告させていただきます。
 
 10月のことでした、帝王切開で出産後10ヶ月になる患者さんが、ひどい腰痛で治療している時のことです。仰臥位から伏臥位の体位変換の時の強い痛みがあり、パトリックテストでは全く足を組むことが出来ない。圧痛や痛みは右腰部にありました。そこで少しでも症状を取ってから全体治療をと思い、肝経や胆経を考えて治療を始めました。
 
 肝経の右行間に鍼をした瞬間、患者は「目に響いて左目が明るくなった」と言ったのです。私はふと「肝は目」と思い、「これはもしかして!と、吉川先生の言われる「眼の治療のツボ」のことが頭に浮かびました。そこで、腰痛の治療はさておいて、「目の治療法」をやってみることにしました。先ず、眼の周囲の圧 痛等を調べました。
  1. 瞳子髎に圧痛(+)、主に左側の圧痛が強い。
  2. 晴明から鼻翼(迎香)にかけて、左側がはれぼったく違和感がある。
  3. 四白に痛みはないが違和感がある。
ということでした。症状はいずれも左側に強いということでした。そこで鍼をすることにしました。ここでの方法は、 1寸1番鍼の鍼を使い、鍼は皮膚において捻鍼を約10秒程するというものです。症状は左側に強かったのですが、鍼は両側にやってみました。

❶瞳子髎の症状に対して

①右光明に鍼 左目外側に響き、目の外側のまぶたが開くように感じ、目が明るくなった。右合谷に鍼 更に左目が明るくなった。

②左光明に鍼 右目外側に響き、目の外側のまぶたが開くように感じ目が明るくなった。左合谷に鍼。更に右目が明るくなった。

❷晴明から迎香にかけてのはれぼったい感じと違和感に対して、ここでは至陰から通谷へ何点か取り、鍼をした。

①至陰では下腹部に響いて、お腹が楽になった。

②至陰と通谷の中間点では、鼻の詰まっているのが抜けて楽になった。

③通谷では、目の内側のまぶたが開くような感じで明るくなった。ここでは右通谷では左目に、左通谷では右目に響いた。

❸四白の違和感に対して。

①右内庭に鍼 左目が明るくなり、更に左の鼻の通りが良くなった。

②左内庭に鍼 右目が明るくなり、更に右の鼻の通りが良くなった。
 
 10月は5回ほど続けてやり、初日は以上のような反応がはっきり現れましたが、回を重ねる毎に、やや反応は弱くなっていくようでした。しかし、このようにはっきりと鍼の刺激の伝わりを自覚できる患者さんに出会ったのは初めてでした(腰痛も治ったとのこと)。このことがあってから、経絡、経穴への期待と信頼が大きくなりました。以来、益々、経穴の位置や働き、経絡の流注など基礎の基礎からの勉強に精を出しております。( 2010年)

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